S/4HANA テーブル関連図【CO・管理会計】

S/4HANAテーブル関連図のアイキャッチ。表・グラフ・ネットワーク図のイラスト

管理会計(CO)は、FI(財務会計)の延長として理解しようとすると、どこかで必ず行き詰まります。COは 調達→生産→販売という価値連鎖の「集約点」 だからです。上流のあらゆる取引で発生したコストと収益が、最後にCOへ流れ込んできます。だからCO担当は、FIのテーブルだけでなく、MM(購買)・PP(生産)・SD(販売)とのつながりを押さえる必要があります。

このページでは、その「つながり」を3枚の図で示します。まず業務フローで全体の流れをつかみ、次にER図でテーブル同士がどのキーで結合するかを、生産・原価/販売・収益のテーマ別に見ていきます。FI側の構造はS/4HANA テーブル関連図【FI・会計】にまとめています。

目次

業務フロー × CO ― データの流れ

調達(MM)→生産(PP)→販売(SD)→会計(FI)と進む各プロセスが、それぞれテーブルにデータを残し、最後はすべて ACDOCA(ユニバーサル・ジャーナル) に集約されます。CO は、この集約された実績を原価センタ・指図・利益センタ・収益性セグメント別に保持・分析します。

調達→生産→販売→FI→CO の業務フロー。各プロセスが出力するテーブルと、最後にACDOCAへ集約される流れを示すフロー図

※スマホでは端末を横向きにすると、図がさらに見やすくなります。

ER図① 生産・原価の結合

製造指図(AUFK)や品目(MARA)で発生したコストが、どのキーで ACDOCA とつながるかを示します。製造指図はヘッダ(AUFK)と明細(AFPO)が1対多で連なり、品目・原価センタ・原価要素(G/L勘定)がそれぞれ ACDOCA の項目から参照されます。◆が主キー、緑字が外部キーです。

CO周辺テーブルER図。指図AUFK・指図明細AFPO・品目MARA・原価センタCSKS・G/L勘定SKB1とACDOCAの主キー外部キー結合を示す

ER図② 販売・収益の結合

販売側はもう一つの流れです。得意先(KNA1)→受注(VBAK/VBAP)と連なり、個別受注生産(MTO)では受注明細がコスト対象になります。収益と損益は、利益センタ(CEPC)と収益性セグメント(CO-PA)の軸で ACDOCA に保持されます。

CO周辺テーブルER図。得意先KNA1・受注パートナVBPA・受注VBAK/VBAP・利益センタCEPC・収益性セグメントとACDOCAの結合を示す

※ER図は主要項目のみ抜粋しています。読みやすさを優先し、テーマごとに2枚に分けています。

CO実績の行き先 ― 4つに分かれる

FIが基本的にACDOCAへ一本化されたのに対し、COは行き先が複数に分かれるのが特徴です。実績はACDOCAへ、原価要素マスタはG/L勘定へ、計画データはACDOCPへ、原価ベースCO-PAは任意で併存します。

S/4HANAでECCのCOテーブル(COEP・COSP・CSKB等)がACDOCA・G/L勘定・ACDOCP・CE1xxxxに分かれる概念図

ECCのCOテーブルは、S/4HANAでどうなったか

ECCのテーブル役割S/4HANAでの扱い
COBKCO伝票ヘッダ実績はACDOCAに統合
COEPCO実績明細ACDOCAに統合(互換ビューあり)
COSP / COSSCO合計(外部/内部転記)ACDOCAから集計(互換ビュー)
CSKA / CSKB原価要素マスタG/L勘定(SKA1/SKB1)に統合
CE1xxxx〜CE4xxxx原価ベースCO-PA勘定ベースはACDOCA。原価ベースは任意で併存
(計画データ)プランACDOCP(計画テーブル)へ
AUFK / AFKO / AFPO指図ヘッダ/明細(PP等)存続。実績コストはACDOCAへ集約
CSKS / CEPC原価センタ/利益センタマスタ存続(基本そのまま)

押さえておきたい変化と、周期(期末)処理

  1. CO実績がACDOCAへ──原価センタ(RCNTR)・利益センタ(PRCTR)・指図(AUFNR)・勘定(RACCT)別の実績が、Universal Journalの1行に収まる。
  2. 原価要素マスタの統合──CSKA/CSKBが廃止され、原価要素はG/L勘定に。2次原価要素も「2次原価」タイプのG/L勘定になった。
  3. 勘定ベースCO-PAが標準──原価ベースCO-PA(CE1xxxx)は任意で併存できる。移行時に方式の選択が論点になる。
  4. 上流とのリアルタイム連携──購買・製造・出荷・請求が、その場でCOオブジェクトに効く。月末を待たずに原価・損益が見える。

そして CO で見落とせないのが 「周期(期末クローズ)」 です。日々の取引が ACDOCA に溜まっても、それだけでは原価は確定しません。期末に次の処理を回して、はじめて原価がかたちになります。

  • 製造指図の差異計算・決済(KKS1/KO88・CO88)──指図に集まったコストを、完成品在庫や原価センタ・収益性へ配分する。
  • 仕掛品(WIP)の計算──期末時点で未完成の指図コストを仕掛品として計上する。
  • 配賦・賦課サイクル(KSU5/KSV5)──原価センタ間でコストを付け替える。バージョン・期間の設定を毎月確認する。
  • Material Ledger の締め(CKMLCP)──実際原価を確定する。ECCでML未使用だった会社は特に注意。

原価要素がG/L勘定になったため、勘定マスタの変更がCOに直接効くようになりました。FIとCOの担当範囲・権限の切り分けも、あわせて見直しておくと安全です。

このページは随時更新し、図やテーブルを追加していきます。あわせてFI(会計)テーブル関連図SAPトランザクションコード一覧(Tコード)もご参照ください。「この関連図も見たい」というリクエストはお問い合わせフォームからどうぞ。

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